自分のやりたいことが職業として用意されていることはないのだというおはなし。
こんにちは。みやべえ(いつ花粉症になるか春が来るたび恐怖)です。
花粉ラッシュとともにやってきました、OB訪問ラッシュの季節。
先週から何人かのお肌ぴちぴち大学生とふれ合わせていただく機会がありました。真っ黒いスーツに身を包んで体を硬くした人、なんだかゆるっとしてるけど憎めない人、いろんな人がいました。若くて勢いがあってこちらが刺激をもらうこともある中で、何度かチクチク感じた小さな違和感。。なんだろーもーん、、ともんやり思っていたある日、しばらく前に大好きだった漫画を久しぶりに開いたらその答えらしきものをみつけたので書いてみます。
自戒の意も込めて。
おかざき真里さんの「サプリ」。
広告代理店を舞台にすっごくリアルな仕事やこんがらがった恋愛模様を描いた漫画。
ちょうど社会人2、3年目かなー?私が仕事人生で一番迷走して自信もプライドもコテンパンに打ちのめされてブラックホールのスクラップと化していた時代に、「キラキラしてないモチベーション」という新しい視点をくれた作品です。
だいたい漫画や啓発本って夢に満ち溢れていたりやたらと前向きバンザイ!なものが多いんですが、くされスクラップに夢見がちでキラキラした言葉なんて響かないんですよ。
そんな中、仕事ってなんだろうとか女性が生きづらい仕組みの中でもがく気持ちとかぜんぜんかっこよくない姿を、すごく的確にビシバシ言葉にしてくれた、当時の自分にはまさしくサプリとなった本でした。恋愛もちょうどすったもんだ大きな区切りを迎えていた時期だったので色々考えさせられたなぁ。
「仕事っていうのは好きなことばかりじゃなくてむしろ多い苦手なものに対して給料が払われていると思う」(5巻より)とか。
「ポリシーっていうのは続けていくために必要なもの。きっとそこに辿り着いた人のことを一人前っていうんだろう」(6巻より)とか。
プレゼン前に2徹して明け方帰る時の疲れてるけどちょっと爽快なあの感じをサケの産卵に例えたりとか(笑)、すごく表現が繊細で上手だなぁと今読み返しても思います。
もっとどろどろだけどね実際。
という前段はともかく、今回OB訪問をしていて感じた違和感の正体はこの言葉。
学生と話す中で、やりたいことはわからないけど「ここに来たらそれを見つけられる気がするんです!」というスピリチュアルな自信を持っていたり。逆に、「自分のやりたいことが100%仕事として活かせると思うんです!」という熱いんだけどちょっとずれたオーラを感じたり。
両極端ですが、どちらも何になったらどこに行ったら、自分のやりたいことが見つかる確率が高そうか期待と計算をしている感じがそこはかとな〜く、することが多いなーと。
仕事って課題を抱えた何かを解決することで成り立つものであって、会社である以上利益を出す必要もある。自分のやりたいことをすべて思い通りにするのは、仕事というよりアート(表現)の世界に近いんじゃないでしょうか。
学校という次のステージがちゃんと用意さている環境を出て、社会のどこかに居場所が欲しくて必死な気持ちはすっごいわかる。めっちゃわかる。でも、やりたいことや好きなものを突き詰めないまま安全パイらしき偶像への憧れを追いかけるのは、「お姫様になったら王子様に会えて幸せになれるからお姫様になりたい!」というのと同じことな気がします。お姫様になったって、王様がリストラされちゃってやっと会えた王子様が超ぶっさいくで王妃様は愛想尽かして出ていっちゃって気付いたら天涯孤独!ナニコレ!!な結末だってあるかもしれない。
会社はやりたいことが職業として用意されている場所じゃない。
ただ、やりたいことを実現できる可能性があるところではある、と思います。
やりたいことがあるなら、そのためにどんな力をつけたらいいか考えるとか。
まだみつからないんだったらなんでもいいから好きな事を洗い出してみるとか。
前出の通り、同じくターニングポイントにさしかかりつつあるアラサーとしては(アラサーのターニングポイントはなかなかやっかいというおはなし)そのほうがきっとゆくゆく楽しいんじゃないかと。
私も学生の時はこんなこと思えなかったし、
それは社会に出てやってみないとわからないことなのかもしれないけど。
旅に出たって面白いことをやりつくしたって、軸がなくては流れて行くんです。
好きなものに素直な人って魅力的だし、仕事に繋がらなくても
気付かない間にそれを少しずつ引き寄せるチカラがあると思うんですよね。
給料や将来性やいろんなカーテンに隠れてないがしろにされそうな、
自分の「これが好き」という気持ちを大事に大事にしてほしいなぁと思いました。
余談ですがサプリで一番すっきりした言葉はこちら。
責任感もやる気もないただ居るだけで仕事を丸ぶりするエライヒトに対して。
ではではー。
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