我が家のケダマさん
こんにちは。みやべえです。
既に今までもちょいちょい出てきていますが、今日は私の夫の話をしようと思います。
人の(特に私の)夫の話なんて興味がある人はほとんどいないと思いますが、東京カレンダーに出てくるハイステータスカップルのような華やかでキラキラした生活とは無縁なので、胃もたれはしないんじゃないかなと思います。
ということで、何から話そうかな。
まずですね。
私の夫は肩に毛が生えています。
なんじゃそら
と思われるかもしれませんが、
まじで。ふわぁっと。
付き合った当初、産毛というにはちょっとはばかられる密度で肩を覆っているその毛がめずらしくて、ノースリーブの腕を眺めながら「肩に毛が生えている人初めて見たよ…」と素直に伝えると、夫は遠い目をしながらつぶやきました。
「中学の時は先輩に『おい毛玉!!』とか呼ばれてたからなぁ。。」
(それって軽くいじめられてないか?)と思いつつ、私は彼の毛触りが嫌いではないので、2人の時は時々愛情をこめて「ケダマさん」とよびます。
いま思えば全くアホな取るに足らない悩みですが、腕も足もバーン!と露出したりしていた多感な20代前半の頃は、雑誌や周りのガールズトークによる「体毛は世の男子からドン引かれる信仰」の信者だった私。自分は人よりも毛深いのかも…と脱毛の安いキャンペーンやブラジリアンワックスなんかに通い、あらゆる体毛撲滅活動に勤しんでいました。
が、彼と出会って
「えー俺と比べたら全然毛深くないじゃーん。見てよ肩なんてフサフサなんだからー。」
「たしかになーふさふさやなーおお背中まで。」
とかやりとりしてたら、なんだか人と比べたり必要以上に気にしているのが無性にアホらしくなり。
もちろんエチケットとしての処理は大事だけど、なんだか体毛も個性だよなぁと愛せるようになりました。
そんなこんなで、ケダマさんの毛深さに私は救われているわけなのですが、まだなんとなく本人には伝えられていません。
そんなケダマさんは、発展途上国にお水を作るお仕事をしています。ざっくりならすとだいたい一年の半分は海外でお仕事をしているので、私もケダマさんと一緒に暮らしたり一人暮らしに戻ったりを繰り返しています。
今日はケダマさんがパレスチナに飛んで行く日。
缶詰やらなにやら1ヶ月分の生活用品を詰め込んでパンクしそうな32キロの巨大キャリーバックと、肩が抜けそうな12キロのリュックを背負いこんだケダマさんがイミグレの方に消えていくのを、つい今しがた見送って、さっきまで一緒にいた人がいないというなんだか空虚なしょんぼり具合を紛らわすように、この文章を書いています。
しかも成田空港の8時半以降のこの閑散っぷり。レストラン街も8時半過ぎると閉店ガラガラだし清掃とか係員の人しか目につかない。。国際空港だよね?ここ。
うえええええ。
さみしい。さみしい。
めちゃめちゃ寂しい。
よく、夫が1年の半分は海外で働いていると言うと「うそー新婚なのにさみしいでしょー」と言われますが、
ああそりゃもう超さみしいよ。
2人で乗ってきた〜成田エクスプレス〜帰りは1人酒〜♪とかいう歌が作れそうなくらいですよ。
でも。
定期的に訪れるこの「寂しさ」のおかげで、私たち夫婦は一緒にいる時間が取れるときはそれを最優先できるし、1人でいる時間もそれぞれ大切にしようと思えるって見方もあるかもね、と出発前の成田空港で唯一空いているサブウェイのポテト(バジル味)をつまみながら話をしていました。
お互いにとっていい夫であるとか、いい妻であるとか、夫婦のスタイルというのは2人でしか決められないもので。一緒にいられたら幸せになれるわけでも、お金があったら幸せになれるわけでもない。
ライフスタイルは変えようと思ったらエイヤでいつでも変えられるけど、お互い好きな仕事をして、結婚してもそれぞれ1人の時間も満喫できてっていう暮らし方は、一緒にいられる時間もひとりでいる時間も当たり前にあるものじゃないんだ、と感じられるものでもあるのかもしれません。
この寂しさはそのための儀式なんだと思ってしまえば、ごまかさずにあー!くそー!!さみしー!!!って吠えてから、また次に会う日までお互いにいい時間を過ごそうと思える。
ちなみに行くのが発展途上国とかだと、飛行機事故とかテロとかに巻き込まれずに生きていてくれたらそれで十分、という感じで相手に求めるハードルが生命存続レベルまで究極に下がるので夫婦間も円満でいられます。最近ケンカしがちなカップルには、発展途上国別居おすすめですよ。笑
半分強がり、半分本音。
平日はなかなか空港までは来れないけど、今日が日曜日でよかった。
いってらっしゃいケダマさん。
ではでは。