みやべえの雑記モノガタリ

旅・湯・酒・音・祭をこよなく愛するアラサーのモノガタリ

いちばんお金がかからないけどいちばん人の気持ちに届くもののおはなし。

こんにちは。

 

「もしもしみやべえ?」

と先日かかってきた1本の電話。ここ数週間電話していなかった得意先の女性。

 

「今ねー送別会してるのー」

「あ、そうなんですか。いいんすかそんな時に。誰のですか?」

「私の」

 

晴天の霹靂の異動報告。

 

今まで約4年間、ほぼ専属かってくらい一緒にお仕事してきた女性でした。

年は3つしか違わないのに社内外から一目置かれるほどものすごく頭がキレて

物おじせず論理的に自分の意見を伝えられて、好奇心旺盛なスーパーウーマン。

 

感覚的に話しがち私は論理的に話す彼女に最初「何言ってんのかわからない」と言われたりもしましたが、一緒にいろんなことを乗り越えるうちに本当に尊敬できる人になっていて

私の興味本位なサーフィンデビューに付き合って早朝の浜辺で2時間ずっと見てくれたり

地方や伝統工芸好きの趣味が一緒で旅の情報やお土産を交換しあったり

お互い将来やりたいことを話したり、これみやべえ好きそう!と情報を教えてくれたり

料理が苦手で恋愛には乙女で、恋愛相談もいっぱいした大好きな人でした。

 

びっくりして、イ長調にひっくり返ったホントデスカホントデスカ?を連呼していたら

 

「未来のことを考えると私の長年の夢が叶うところだから嬉しいんだけど、ずっとみやべえと一緒にやってきたし振り返るとやっぱ寂しくって」

 

と言われて会議室で電話持ったまま号泣。

久しく忘れていた好きな子が転校しちゃうようなきゅーってなるあの気持ち。青春か。

「ううう良かった、ほんと良かった。嬉しいけどでも寂しいっすうえぇぇぇ」

改めて酒でも飲みながら大泣きして発散しあおう、と言って電話を切りました。

 

春は出会いと別れの季節。

最近こういうことが多くて嬉しいような寂しいようなダークブルーなみやべえです。

 

このいっぱいのありがとうと全力で未来を願う気持ちを

何で表したら伝わるかなと考えていたある日、母から

「これをあなたに読んでほしくって」

と言われてもらったまま開かずにいた本を開いてみました。

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ハルキ文庫の吉野弘詩集。

 

栞が挟まれたページにはこんな詩がありました。

 

「祝婚歌」 

二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派すぎないほうがいい

立派すぎることは

長持ちしないことだと気付いているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい

完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかがふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで

疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは

少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは

相手を傷つけやすいものだと

気付いているほうがいい

立派でありたいとか

正しくありたいとかいう

無理な緊張には

色目を使わず

ゆったり ゆたかに

光を浴びているほうがいい

健康で 風に吹かれながら

生きていることのなつかしさにふと

胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そして

なぜ胸が熱くなるのか

黙っていても

二人にはわかるのであってほしい

 

いまちょうど感情フルになっているからなのかもしれませんが、

これをわざわざ買って持たせてくれた母に言われているようで

なにかスッコーンと心に響くものがありました。(もらったままほっぽっといてごめんよ母)

さだまさしの「関白宣言」よりも私はこっちの方が好き。

ずっこけているほうがいい、っていいなぁ。その辺は任せてほしい。

 

この吉野弘さんの詩集は、他にも日常や季節や命を

すごくあたたかい目線とやさしい言葉で綴っていて、

日の当たる縁側に座って世界を見ているようなじんわりする言葉が

いっぱい詰まっていました。

 

そういえば詩集を読むなんて子供のころ以来。

昔何度も読み返したのは金子みすゞさんの詩集でした。

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理解できていたかはわからないけど、みんなちがってみんないいとかこだまでしょうかとか、小さい命や生き物に対する気持ちがやさしくていーなーと子供心に思って。

しかもこの睫毛の虹には一つずつ英訳がついていて。日本人のこういうあったかい視点が世界にも共鳴するんだ!すごい!日本語ってなんかきれい・・・!と衝撃をうけて今でも大事に持っています。

 

「大漁」

朝やけ小やけだ

大漁だ

大ばいわしの

大漁だ。

浜はまつりの

ようだけど

海のなかでは

何万の

いわしのとむらい

するだろう。

 

ブログを書き始めてから、人の話す言葉や言い回しとかに

少し敏感になりつつあるのですが、(自分の文章に反映できる文章力がないのが残念ですが)

だれかからもらう言葉って、ちょっとしたことで嬉しくなったり悲しくなったり、

どんなプレゼントよりも心に届くのかもなぁと思いまして。

 

子供の私にみすゞの詩集をくれた母のように。

今の私に祝婚歌を送ってくれた母のように。

詩って自分の稚拙な言葉の代わりに想いを代弁して届けてくれるツールとして

案外最適なものなのかもしれません。人に本を贈るってなかなかハードル高いのですが…。

 

今の私の気持ちを代弁してくれる詩がないかさがしてみようかなぁと思いました。

 

なにかいい詩、知ってたらおしえてくだされー。

 

ではでは。

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